脳脊髄液減少症

この症状は患者として不定愁訴等がありますが、現状では自賠責保険基準で後遺障害の等級の認定基準はないのです。

頚椎捻挫や腰椎捻挫と共に起こりやすい

最近注目されてきました脳脊髄液減少症ですが、追突などで鞭打ち症となることは一般的に知られていますので、頭痛とか痺れ、不定愁訴の訴えも鞭打ち症のせいで起こっていると思い勝ちです。


当事務所のサポート依頼された方で、症状的に頭痛がひどいとか、のぼせや精神不安定とバレリュー症候群とよく似た症状でしたが、それにしたら少し症状的にきついし、横になると症状が幾分緩和すると言う事であったため、その方の住所地の近くの核医学の検査が可能な大学病院を紹介して、そこで受診してもらったことがありました。

脳精髄液減少症の原因

人間の脳とそこに繋がっている神経の束つまり脊髄は骨とか組織に直接触れると、その刺激により痛みなどを感じてしまいます。

そのため、脳と精髄には薄い膜があり脳や脊髄との間に緩衝材として髄液があり、その中で浮かんでいるようになっています。

これが事故などで強い衝撃を受けると、特に脊髄を包む膜が破れることがあり、その破れから髄液が漏れることが起こります。

このため、髄液が少なくなり直接脊髄が周りの組織に触れることなり、痛みや数々の不定愁訴をもたらします。

脳脊髄液減少症の治療

このように、症状がある場合は検査をすることで分かります。

一般的には核医学と言っていて放射線科にありますが、どこにでもあるというわけではありませんので、探す必要があります。

テストは微量のインジウムというラジオアイソトープ(放射性同位元素)を用いたRI脳槽シンチグラムがもっとも鋭敏で有効な検査で、時間を置いて漏れを検査しますが、漏れが有る場合は、インジウムの放射線によってどこでもれているかが写ります。なおこの放射性同位元素はそのうち尿と共に排出されます。

ただしこの検査は直接髄液にハリを刺してしますので、検査後症状が悪化する場合も有り、検査とブラッドパッチとセットすることも有ります。

しかし近年MRミエログラフィーで髄液の漏れを調べることができるようになりました。ことに頚椎部の漏れに関してはRIよりも検出率が高いということです。

上記の依頼者の場合は医大病院に紹介で検査入院をして検査で脳脊髄減少症があることが分かり、ブラッドパッチ療法と言う自分の血液で膜の破れたところにふたをする治療をしました。

この方は2回の治療でだいぶ良くなったということですが、自賠責保険で現在脳脊髄液減少症と言うものは後遺障害の等級として認められていないため、通常の神経症状として非該当か14級か12級の選択適用となります。

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